収入の減少、生活費の増加など様々な理由によって借金が増え、支払いが困難になった場合、誰にも相談せずに(あるいは相談できずに)立ち止まってしまう方がいらっしゃいます。
しかしながら、債務の問題で悩んだままで時間が経過してしまうと、以下のような様々な問題に直面してしまうことがあります。
時間の経過によって生じ得る問題
債権者からの督促
支払いが困難になると、債権者から督促状が届いたり電話で厳しく返済を求められるなどの督促がなされます。
このような状況が生じると、通常の方は強いストレスを受けるほか、中にはストレスから日常生活に支障を生じたり精神的に参ってしまう方もいらっしゃいます。
裁判や差押えなど
債権者からの督促を無視していたり、無視しなくても結果的に滞納がかさんでしまうと、次の段階として、裁判や支払督促といった裁判所の手続に移行することがあります。
そして、そのような裁判所の手続にも対策を取らずにいた場合、今度は預金口座や給与を差し押さえられることがあり、さらに生活に大きな影響が出ることがあります。
周囲への影響
ご本人が返済できなくなったときに家族が返済を助けることがありますが、このような場合、無理な返済を続けるために家族の収入をあてざるを得なくなったり、家族の財産が底をついてしまい、ひどいときは家族自身も負債を抱えてしまうなど家族全体の家計が機能不全に陥ってしまうことがあります。
また、実際の相談例として、①借金返済のため勤め先から借入をし、その後に返済不能に陥り勤め先に迷惑をかけてしまったケース、②知人や友人、同僚など近しい人に保証人を頼んでしまった後で返済できなくなったケース、③知人や友人などから借入をした後で返済不能になるケース、といったものがあり、早期に適切な判断ができなかったために周りの人たちに多大な迷惑をかけてしまうケースも存在します。
本来不要だった資産処分をしてしまう
そのほかにも、適切なタイミングで債務整理の手続を取っていれば一定の資産を残すことができたにもかかわらず、後手に回ってしまったため、本来なら手元に残せたはずの資産をすべて支払いにあててしまい、債務整理を決断したときには何も残っていなかったというケースもあります。
たとえば、自己破産でいうと概ね99万円までの資産であれば「自由財産拡張」という制度を利用して一部の資産を残せることが多いところですが、そのような制度を知らずに手持ち資産をすべて返済に回してしまい、その後で自己破産を決断したため、相談に来られたときは一切財産がなかった、というケースがあります。
また、法的整理の一つである「個人再生」も資産そのものを現実に処分する必要まではないため、自己破産の場合だと失ってしまうような財産を手元に残したまま借金の一部を減免できることがありますが、これを知らなかったため、やはり資産を失ってからご相談に来られる方もいらっしゃいます。
弁護士がお手伝いできること
借金問題は適切な時期・方法によって対処しないと事態が悪化していく可能性がありますが、多額の債務を抱えて身動きがとれなくなると自分だけで状況を冷静に判断することが難しくなりがちです。
また、ネットの情報などで「債務整理」について漠然と理解できても、それだけでは具体的にどの方法が自分に適しているのかを判断することも困難です。
債務整理としてどの手法が最適かは一人一人の状況によって異なり、その判断には丁寧なヒアリングと専門的知識・経験が必要となりますが、弁護士が債務整理のご相談やご依頼を受けた場合、以下のような流れに沿って債務の問題解決に向けたサポートを提供することができます。
解決までの一般的な流れ
法律相談
弁護士は、債務に関するご相談を受けた場合、まずは債務の件数・金額・種類、借入の理由、収入、家族構成などを詳しくヒアリングし、ご本人がおかれている状況を整理していきます。
債務整理にはいくつかの方法がありますが、法律相談を受けた弁護士は、これまでに培った専門知識や経験をもとに、その人の状況に応じた最善の解決策をともに考え、提案します。
契約・受任通知
法律相談を通じて具体的な方針が固まり、弁護士が代理人として正式に依頼を受けた場合、例外的なケースを除き、弁護士は債権者に対して「受任通知」を発送します。
受任通知を受け取った債権者のうち貸金業者は、弁護士からの受任通知が届くと直接の取り立てができなくなります。
また、貸金業法の適用を受けない他の債権者についても、大多数の債権者は債務者の窮状に配慮し、弁護士の介入後は直接の請求を差し控えます。
受任通知も万能ではありませんが、それでも多くの場合、受任通知によっていったん請求を停止してもらうことができ、冷静に今後のことを考えたり準備をする時間的余裕が生じますので、この点に弁護士に依頼することの大きな意味があります。
示談交渉や法的手続のサポート
任意整理(分割和解交渉)
債務整理の方針が債権者との間で長期分割払いの交渉をするものである場合(任意整理)、弁護士は、ご本人に代わって各債権者と支払条件について分割払いの和解交渉を行います。
自己破産・個人再生
①申立に向けた各種サポート
これに対して「自己破産」や「個人再生」といった法的整理を選択した場合、裁判所に提出するための多くの資料を集める必要があり、「陳述書」や「財産目録」など作成してもらわなければならない書類もあるため、これらをスムーズに準備することが解決までの近道となります。
書類の集め方や作成が必要となる書類の書き方は一般の方には分からないことが多いため、ここで悩んでしまって長い間足踏みする方もいらっしゃいますが、弁護士は債務者の方がなるべく寄り道をしないですむように書類の取り方や書き方をアドバイスします。
②裁判所への同行支援
自己破産では、ご本人が裁判所に出頭する必要がありますが、弁護士は裁判所で開かれる期日に同行し、手続がスムーズに進んでいくように本人の傍でサポートします。
③再生計画案立案・弁済代行(個人再生)
個人再生は、減免後の債務の一定額を数年間をかけて支払っていく手続であるため、履行可能な返済計画を立案し、裁判所に提出する必要があります。
そのため、弁護士はこの再生計画案をご本人に代わって立案します。
また、再生計画の認可決定後は債権者に対して決まった額の支払いを行う必要がありますが、弁護士はその支払いを代行します。
※なお、認可決定後の債権者への弁済代行まで引き受けるかどうかは事務所によって方針が異なるようですが、当事務所では責任をもって弁済の代行まで行っています。
弁護士との面談について
弁護士は、債務整理を受任するにあたり依頼を希望する方と直接面談して事情を確認しなければならないとされており、また、電話やメールなど間接的なやり取りだけでは債務の内容やご本人の状況を十分に把握するのが困難ですので、ご依頼を希望される方には当事務所での面談をお願いしております。
弁護士にご相談下さい
借金問題の多くはその人の状況をきちんと踏まえた上で適切な方法を選択すれば解決可能です。
適切な解決に到るには弁護士の側にも十分な知識と経験が求められ、法的整理(自己破産・個人再生)については地域の裁判所の運用にも目を配る必要があります。
当事務所は、ここ岩手県盛岡市で事務所を設立して以来、数多くの債務整理案件をご依頼いただき、各人の状況に応じたオーダーメイドでの解決に日々取り組んでいます。
また、最近では遠方の事務所に債務整理(特に任意整理)を依頼したものの、費用が高く支払いが大変であるとか、辞任に至ってしまった等、無理な債務整理の計画を立てたことでかえって問題が複雑化してしまったというご相談が多く寄せられていますが、当事務所ではそういったケースへの対応にも力を入れています。
岩手県内で借金問題についてお悩みの方は、ぜひ一度、お話をお聞かせください。
※面談可能な方であれば盛岡市外の方でも対応は可能です。
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債務整理の方法について
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