遺産分割の方法(協議・調停・審判)
遺産をどのように分けるかは相続人の話し合い(協議)によって自由に決めることができます。
そのため、遺産分割の多くは当事者間の協議によって解決が図られています。
しかし、何らかの理由によって当事者間での話し合いがまとまらない場合には、裁判所での話し合い(調停)を行い、それでも決まらない場合、最終的には裁判官に決めてもらう(審判)ことが必要になります。
遺産分割で問題になりやすいケースは?
遺産分割は、それまでの親族関係も影響し、いったんこじれると当事者間での話し合いでは解決が困難になることがあります。
また、疎遠な親族との協議は、そもそも話し合いの機会を持とうとするだけで大変なストレスになることもあり、ひとたび相続人の不和が生じると最終的な解決までに2~3年を要するケースもあります。
それ以外にも、特定の相続人が多額のまとまった贈与を受けていた場合などでは、法定相続分どおりに分けることがかえって不公平であり修正が必要となることもあります(特別受益)。
他方で、一部の相続人が遺産の維持・増加に特別な貢献をしていた場合(寄与分)にも法定相続分が修正されることがあるなど、実際の計算は複雑になりがちであり、自分の取得分が果たして正しいのか判断に迷うことも少なくありません。
遺産分割における問題は事案ごとに千差万別ですが、たとえば以下のような問題が起きることがあります。
遺産分割をする上で起きる問題の一例
・誰が相続人なのか分からない
・相続人の中に行方不明者がいる
・遺産をどのように分けるのが良いのか判断がつかない
・相続人同士の仲が悪いので話し合い(協議)ができない(できなさそう)
・話し合いをしたがまとまらなかった
・理由はわからないが話し合いを拒否する相続人がいる
・相続人の中に、被相続人の生前に多額の贈与を受けた者がいる
・相続人の中に、遺産を超えるような多額の生命保険金を受け取った者がいる
・不動産など遺産の評価額で折り合いがつかない
・不動産の賃料を独り占めしている相続人がいる
・遺産分割調停や審判の進め方が分からない
など
弁護士がお手伝いできること
弁護士は相続人の方から遺産内容を聞き取って内容を整理したり、遺産を評価する方法や、相続人の人数・地位に応じた相続分がどの程度になるかなど、今後の遺産分割協議を円滑に進めていく上で有益なアドバイスを提供することができます。
また、既に当事者間で協議が整い、あとは形にするだけという場合は、相続人間の協議内容に即した遺産分割協議書の作成をお手伝いすることができます。
それ以外にも、相続人間で話し合うことが難しかったり、なるべくスムーズに協議を進めたいというニーズがあるときには、遺産分割協議や調停・審判において代理人として活動し、遺産分割の解決に向けてお役に立つことができます。