離婚問題は、離婚そのものだけではなく慰謝料や財産分与、養育費、年金分割など解決すべきいくつもの法的問題が同時に起き得るところや、紛争の背景に夫婦間の感情的対立がある点に特徴があります。
そのため、ひとたび離婚問題に直面した方は、そもそも一体どの問題から手をつければ良いかわからなかったり、双方の感情的対立から問題が複雑化、長期化しがちです。
離婚手続を進めるうえで問題になりがちな典型例としては以下のようなものがありますが、このような離婚問題を解決するためには、まずはご自分の置かれた状況を冷静に把握し、問題点を整理することが重要です。
離婚時のトラブル・不安の例
離婚の進め方の問題
・協議で進めるか調停を起こすか迷っている
・相手が離婚に応じてくれない
・調停や裁判のやり方が分からない
・調停や裁判を起こされたが対応が難しい
(どう対応したら良いか分からず不安だ)
親権・面会交流
・子の親権者について話し合いがつかない
・面会交流の条件がまとまらない
別居中の生活費(婚姻費用)
・別居中の生活費を払ってくれない
(低い金額しか払ってくれない)
・婚姻費用を請求されたが妥当か分からない
・勝手に婚姻費用を減らされた
離婚後の養育費
・養育費の額について折り合いがつかない
・いつまで養育費を払うかで揉めている
財産分与
・支払いを拒否された
(低い金額しか払わないと言われている)
・相手の財産が分からない
・きちんと財産を開示してくれない
・どの財産を分与するかで揉めている
・財産の評価について揉めている
(不動産、退職金、株式など)
・相手の請求額が妥当かどうか分からない
慰謝料
・相手に請求できるかどうか分からない
・いくら請求したら良いか分からない
・相手の請求額が妥当か分からない
・不貞相手に対しても慰謝料の請求をしたい
年金分割
・年金分割に応じてくれない
・年金分割の割合で揉めている
離婚条件の残し方
・協議書に何を書いたらいいのか分からない
・離婚後に追加で請求されないようにしたい
・約束を破ったら差押できるようにしたい
弁護士がお手伝いできること
離婚はデリケートな問題であるため周りに相談できなかったり、強いストレスから日常生活にまで支障を生じてしまうこともあります。
そのようなとき、弁護士は離婚トラブルの解決に向けて以下のようなサポートを提供することができます。
法律相談
離婚はお互いの感情的対立が強いことが多く、夫婦だけでは冷静に話し合えなかったり、そもそも何から話し合えば良いかすら分からないことがあります。
また、身近に相談相手がおらずストレスから精神的にまいってしまう方もいます。
弁護士は、そのようなお悩みを持つ方からヒアリングして状況を整理し、問題解決までの道筋や具体的な解決方法を探すお手伝いをすることができます。
たとえば離婚できるかどうかが問題であれば、その見通しや離婚するための具体的方法、財産分与が問題であれば、財産調査の方法や評価の仕方・分与額の見通し、慰謝料であれば請求できる可能性の有無・程度や妥当な金、証拠獲得のための方法などについてアドバイスすることが可能です。
このような問題は一つ二つ程度であればネット情報を活用するなどして解決できることもありますが、実際には複数の問題が同時に持ち上がり、それらすべてに目配りしながら解決を図る必要があることも多く、そういうケースで的確な方針を立てるには専門家である弁護士に意見を求めることが有用です。
離婚協議の代理・離婚協議書・公正証書作成のサポート
離婚問題というとどうしても「争い」のイメージがつきまといがちです。
しかし、離婚をお考えの方の中には、お互いに調停や裁判までするつもりまではなく、ただ、直接やりとりをするのが精神的に辛いため、誰かに間に入ってほしいという方々もいらっしゃいます。
離婚にはいくつかの方法がありますが、話し合いで折り合いがつく可能性があるときは、時間的にも費用的にも離婚協議を選択することがベストです。
このような場合、弁護士はご本人に寄り添って離婚協議を進めることができるほか、離婚協議書の作成や公正証書作成のために公証人役場とやりとりをしたり、必要に応じて本人の代わりに公証人役場へ赴くなど、スムーズな協議離婚の実現に向けてお手伝いすることができます。
不貞相手に対する慰謝料請求
不貞行為に起因して離婚問題に発展したような場合には、弁護士は配偶者や不貞相手に対して慰謝料請求を行うことができます。
慰謝料の請求には示談交渉や訴訟などいくつかの方法がありますが、弁護士はその方の状況に応じた適切な手続を利用し、正当な権利の実現に向けてサポートすることができます。
離婚調停・離婚裁判の代理
協議では折り合いがつかなかったり、そもそも話し合いで解決できる見込みが低いケースでは家庭裁判所で調停を行い、調停でも解決しなかったときは裁判で決着をつけざるを得ないことになります。
多くの方にとって、調停や裁判は人生ではじめての経験か、たとえ経験があったとしても数少ない出来事です。
そのため、調停や裁判に向けてどのように準備すれば良いか、実際の手続の流れはどうなるのか、解決までの時間はどれくらいかなど分からないことばかりの方が多いと思いますし、一人で裁判所に行くのはとても心細いという方もいらっしゃると思います。
当事務所には、様々な理由によって自力では調停や裁判を進めることができない方がご相談にいらっしゃいますが、調停や離婚といった裁判所での手続は弁護士がもっとも力を発揮できる場面であり、弁護士の持つ知識や経験がダイレクトに役に立つ場面です。
離婚後に生じた問題のサポート
様々な事情により、離婚をしたときには財産分与や慰謝料、養育費などの条件についてきちんと取り決めをしなかったという方が一定数いらっしゃいます。
たとえば、離婚した後になってから養育費の請求をしたい(された)、財産分与や慰謝料・年金分割の請求をしたい(された)など、積み残しとなっていたお金にまつわる問題が離婚後に起きることは決して稀ではありません。
また、公正証書や調停などできちんと取り決めをしたにもかかわらず、相手が約束を守らなかったため、強制執行を実施せざるを得ない場合も存在します。
その他、養育費について取り決めをしたものの、その後の事情の変更によって養育費の増額や減額を求めたいというケースもあります。
ご本人の希望がどの程度叶うかはケースバイケースの判断が必要ですが、弁護士は、離婚後にこのような問題が生じたときも、法律相談や法的手続の代行を通して皆様のお役に立つことができます。
弁護士にご相談下さい
離婚協議の進め方で迷っていたり協議が難航して調停や裁判を考えている方、相談できる方が身近におらず一人で心細い方、相手とのやりとりが辛い方など、一口に離婚問題といっても抱える悩みは人それぞれです。
離婚問題で行き詰まったとき、弁護士は法律相談によって解決への道筋を探すお手伝いをしたり、調停や裁判の手続に関わることで解決に向けて直接サポートすることができます。
事務所設立以来、当事務所は数多くの離婚問題に積極的に取り組んでおります。
男性か女性を問わず、あるいは離婚を求める側、求められる側のいずれの立場からも幅広くご依頼を受けておりますので、岩手県で離婚についてお悩みの方はお一人で悩まず、一度当事務所にご相談下さい。
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