自己破産のご相談やご依頼を受けると、債権者集会とはどのようなものかについて尋ねられることがあります。
ひとくちに債権者集会といっても、どういう場合に開催され、具体的にどのような手続が行われるのかはなかなかイメージが沸かないと思いますので、これから自己破産を検討している方や債権者集会を迎える予定の方について、よくあるご質問についてお答えしたいと思います(対象はいわゆる個人破産です)。
破産管財人が選任される場合です。
資産がなく借入の理由にも大きな問題がない場合には、「同時廃止」といって破産管財人が選任されませんが、このケースでは債権者集会も開かれません。
もっとも、借入理由に問題がある場合、同時廃止となり債権者集会は開かないものの、裁判所に出頭して裁判官との面談(免責審尋)が必要になる場合はあります(なお、免責審尋に債権者は出頭しません)。
ケースバイケースですが、概ね破産の決定から3ヶ月程度後に開催されます。
ケースバイケースですが、債権者が金融業者や信販会社などのみであればほとんど債権者は出席しません。
個人でも事業を営んでいた場合には取引先が出席する場合があり、家賃の滞納がある場合に大家さんが出席することもありますが、どちらかといえばレアケースです。
出席率が高いのは、個人からの借入がある場合です。
出席する理由は借入の理由や金額によって様々であり、直接意見を言いたいという強い希望がある場合から、特に何か言いたいことがあってきたわけではなく裁判所から手紙が届いたから来ただけという場合までありますが、一銭も返さずに破産していたり借りてすぐ破産した場合等問題があると、債権者集会が紛糾することもあります。
債権者が出席しない場合には、概ね10分程度です。
債権者が出席している場合には、破産管財人が破産に至る経緯や財産状況などを丁寧に説明し、債権者からの質問に対して応答することになりますので、この場合には30分程度かかることもあります。
特に決まりはありませんが、ラフな格好やだらしない格好はお勧めしません。
先ほど述べたとおり債権者が出席しないことも多いですが、身だしなみも債権者に対する誠意の表れですので、債権者が来る来ないにかかわらず、自分なりにきちんとした外見を心がける必要があります。
債権者が出席している場合には、少なくとも債権者に対して謝罪をすることが望ましいところですが、代理人弁護士がついているケースでは、基本的にはそれ以外は代理人が対応するのが通常です。
債権者が出席しない場合で、かつ、破産手続が次回に続行される場合には、特に発言しないままその日の集会が終わることもまれではありません。
他方、その日で破産手続が終了する場合だと、債権者集会後に引き続き行われる免責審尋において、裁判官から借入の経緯や反省点、生活再建に向けて取り組んでいることなどについて質問があり、自分自身の言葉で伝えることが求められます。
ここは代理人の弁護士に任せることができずご自分で対応する必要がありますので、免責審尋が行われそうなタイミングでは、裁判所に提出した書類を見直したり反省点などを改めて考えておくなど準備をしておくことが重要です。
まれに、弁護士に依頼したことで安心してしまい当事者意識が薄くなる方もいらっしゃいますが、そのような方は裁判官に見抜かれて厳しく追及されることもありますので最後まで抜かないよう注意が必要です。
ケースバイケースですが、通常3ヶ月程度です。
正当な理由のない欠席は説明義務に違反するとして免責不許可事由に該当するため、大きな問題となります。
急な体調不良などやむを得ない場合は、緊急性の程度にもよりますが可能な限り診断書などを提出したうえで、次回の債権者集会には必ず出頭するようにします。
なお、仕事の都合などは基本的には正当な理由にあたりません。
いかがだったでしょうか?
債権者集会は破産管財人が選任されるケースでは避けて通れない手続ですので、ここでお話ししたことや代理人弁護士からのアドバイスなどからイメージをつかんでいただき、誠実に対応していただきたいと思います。
弁護士 平本丈之亮
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