離婚調停の流れ~離婚⑰~

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 離婚について協議をしたものの解決しなかった場合、次のステップとして行うのが離婚調停です。

 しかし、多くの方にとって離婚は人生で一度きりの出来事であり、裁判所に行ったことなどない方もほとんどですので、実際に調停に臨む際の精神的ストレスは大変なものです。

 そこで今回は、はじめて離婚調停に臨まれる方向けに、離婚調停の大まかな流れや期間などについてお話ししたいと思います。

 

<離婚調停の申立>

 離婚調停は、夫婦のどちらかが相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てをすることによってはじまります(例外的に、夫婦で調停を行う裁判所を合意し、その裁判所で行うこともあります(合意管轄))。

 申立をする方は、まずはどうやって申立すればよいのかを調べるところから始まりますが、申立書などの基本的な用紙は各裁判所に備え付けてありますし、裁判所のホームページから直接ダウンロードしたものを利用することも可能です。

 書類の提出は裁判所に持参する方法だけではなく、郵送する方法でも可能です。

 

<申立~第1回調停期日までの間>

 通常、調停の申立てから概ね1か月程度で第1回の調停期日が開かれますが、その間、必ずしておかなければならないものはありません(書類に不備等があれば裁判所から連絡があります)。

 もっとも、申立の時点で裁判所に提出していなかった資料がある場合には、期日前に提出しておいた方が解決までの期間短縮につながる場合があります。

 たとえば、財産分与を請求したい場合で、相手の財産の内容がある程度分かっているのであれば、相手の財産の目録(や裏付けとなる資料)を提出しておくことが有効です。

 また、年金分割を請求する場合には年金分割の情報通知書が必要になりますが、これは請求してから手元に届くまで時間がかかりますので早期に取得して提出しておいた方が良いと思います。(なお、訴訟に移行する可能性がある場合には訴訟の段階で情報通知書を改めて提出する必要がありますが、いったん提出してしまうと後で返してもらえず再発行が必要になるため、提出時に原本還付の手続をしておくことをお勧めします)。

 これに対して、不貞の証拠については、証拠の価値の強弱や協議段階での相手の対応等次第で出した方がよいかどうか異なり、場合によっては訴訟まで温存しておいた方が良い場合もありますので、迷った場合には弁護士へ相談された方が良いと思います。

 

<第1回調停期日の流れ>

【受付】

 まず、開始時間前に裁判所で受付を済ませると待合室に案内されます。

 調停室は別々になっていますので、調停室で鉢合わせすることはありません。

 その後、時間になると調停委員が待合室に呼びに来ますので、指示に従って調停室に入室すると、調停が始まります。

 

【調停の進行】

 調停員は2名(男女1名ずつ)ですが、通常の流れだと、申し立てた側から調停室に呼ばれます。

 そこで、調停委員から申し立てに至った事情を聞かれ、申立書などの記載事項の確認や離婚に関する要望の聞き取りなどがあります。

 それが終わると相手方と入れ替わり、今度は相手方の事情聴取が終わるまで待合室で待つことになります。

 場合によっては自分が話している時間よりも待っている時間の方が長いことがありますので、本を持ってくるなど待ち時間を過ごすための準備はしておいた方が良いと思います。

 このような流れを何度か繰り返し、その日の話し合いで合意できる部分や次回に持ち越しになる点が明確になったら、次回期日を決めて第1回調停期日は終わりです。

 基本的には調停委員とのやりとりのみで手続は進みますが、面会交流について紛争が生じるケースだと、家庭裁判所調査官が立ち会うこともあります。

 

【調停にかかる時間はどれくらいか?】

 一概には言えないものの、中身のある実質的な話し合いが行われる場合、待ち時間を含めて通常1時間半から2時間程度はかかることが多いと思います。ただし、協議事項が少ない期日や双方に代理人弁護士がおり協議事項があらかじめ整理されているような期日だと1時間を切ることもあります。

 この部分は調停に入る前の事前準備がどの程度できているかにもよりますので、相手方の準備はコントロールできなくても、自分側だけでも主張したいことや資料を整理して準備しておけば調停期日の時間短縮につながりますし、そのような積み重ねによって早期に問題点が整理できれば、ひいては解決までの期間短縮にもつながります。

 

<2回目以降~調停成立(不成立)>

 基本的な流れは第1回の調停期日と同じであり、前回の期日での宿題をもとに話し合いを行い、合意形成を図っていくことになります。

 期日と期日の間隔は概ね1か月程度ですが、支部など裁判官や調停委員が少ないようなところではそれよりも間隔が長くなることがあります。

 合意がまとまれば、裁判所が調停調書と呼ばれる書類を作り、当事者間の合意内容を紙にしてくれます。

 調停が成立しなかった場合には、調停手続は不調によって終了しますので、離婚を求める側は訴訟を提起することになります。

 

【調停成立までの期間は?】

 これもケースバーケースとしか言えませんが、感覚的には3か月~半年程度が多く、長いと1年程度はかかることが多い印象です。

 平成30年度の司法統計によると、離婚を含めた夫婦間の紛争全体に関する調停について、調停が成立した事案のうち成立までの期間は、3か月以内が約29%、3~6か月以内が約36%、6~12か月以内が約27%となっており、半数以上が半年以内に成立に至っているようですので、半年程度が一つの目安になると思われます。

弁護士 平本丈之亮

 

2020年3月22日 | カテゴリー : 離婚 | 投稿者 : kwkm-@dm1n