弁護士は、相続人の方から遺産内容を聞き取って内容を整理したり、遺産を評価する方法や、相続人の人数・地位に応じた相続分がどの程度になるかなど、今後の遺産分割協議を円滑に進めていく上で有益なアドバイスを提供することができます。

法律相談の結果、状況が整理でき、ご自分たちだけで遺産分割の問題が解決するということも多くあります。

相続人間の折り合いが悪く話し合いが進まなかったり、遺産の内容が複雑で専門家による交通整理が必要なケースなどでは、弁護士は遺産分割協議の代理人として活動し、遺産の内容や各相続人の意向等をみながら他の相続人と交渉するなど、円滑な解決に向けてサポートすることができます。

また、裁判所外で協議したものの解決できなかったケースや、そもそも当事者だけで話し合いをすること自体が難しい状況のときは、遺産分割調停や遺産分割審判の手続において代理人として活動することもできます。

遺産分割を行う上では、そもそも他の相続人が誰なのか正確に分からなかったり、相続人は分かるがどこにいるかがわからない、相続人の一部が認知症で判断能力がないなど、手続を進めるうえで障害となる事情が存在するケースがあります。

このような場合、弁護士は、遺産分割を進めるため戸籍等をもとに誰が相続人なのかを調査したり、相続人の住所の調査を行うことができますし、相続人の所在が不明な場合には不在者財産管理人の選任申立や、相続人の一部が認知症の場合の成年後見人選任申立など、関連する手続をまとめて行うことができます。

遺産分割と密接に関連する問題として、特定の相続人による使い道不明の遺産の使用（使途不明金）が存在するケースがあります。

使途不明金の問題は、特定の相続人が亡くなった方（被相続人）の財産を事実上管理していたようなケースで生じるものですが、被相続人の意思によらずに費消された場合等、一定の場合にはその一部について返還等を求めることができる場合があります。

このような使途不明金の問題は、厳密にいうと遺産の分け方に関する遺産分割の問題ではないことから、遺産分割の話し合いの中でまとめて解決できないときは別の手続で解決しなければならず、進め方について注意する必要があります。

遺産分割に関連してこのような使途不明金問題があるとき、まずは遺産分割の話し合いの枠内で解決することを目指しますが、そのような形で解決することができない場合、弁護士は訴訟手続を利用するなど統一的に問題を解決できるようにサポートすることができます。