離婚を考えたときに検討すべきポイントについて

 

 様々な理由で離婚を考えたとき、離婚が本当にできるのか、子どものことはどうなるのか、お金の問題はどうなのかなど、一度に色々考えなければならないことがあります。

 このような場合、とりあえず弁護士に相談してみるのも有効ですが、その前に、まずは自分自身である程度問題点を整理することができていれば、その後の進め方についても迷いが少なくなります。

 そこで今回は、離婚が頭によぎったら考えておくべきポイントにどのようなものがあるのかをお話しします。

 

【Point1 相手が離婚を承諾してくれる見込みはあるか】

 何はともあれ、ここがまずもって一番大事なポイントです。

 ここでどの程度の見込みがあるかどうかで、離婚の進め方が大きく変わる可能性があるからです。

 たとえば、離婚そのものについては応じてくれそうであれば、基本的な方針は協議離婚となりますし、そもそも相手が離婚に対して大きく抵抗することが予想される場合には、協議離婚については選択肢から外すかほどほどにしておき、早期に調停の申し立て、あるいは訴訟まで見据えて準備を整えておくなど、その後の方針が大きく変わります。

 

【Point2 子どもの親権や面会交流について】

 離婚自体の進め方について見通しを立てたら、次に考えるのは子どものことです。

 子どもがいない夫婦であれば関係ありませんが、子どもがいる夫婦の場合、離婚そのものやお金の問題よりもこの点を巡って紛争になるケースが非常に多いため、以下のような点について相手の希望を予想して今後の見通しや方針を立てておくことをお勧めします。

 

 1 親権 

①こちらが取得を希望するのかそれとも相手に委ねるのか

 

②親権を希望した場合には取得できる可能性がどの程度あるのか(この点は弁護士への相談を推奨します。)

 

 2 面会交流 

①親権を相手に委ねる場合

 この場合、面会交流についてどのような取り決めを希望するかを考えておきます。

 具体的には、月の面会回数、1回の面会時間の目安、子どもの受渡方法、学校等の行事の取り扱いなどについてです。

 

②親権を希望する側

 この場合、相手が望むと思われる面会交流についてどのようなスタンスで臨むのか、あらかじめ検討しておくことが有益です。

 

【Point3 お金について】

 次に検討するのは、離婚に伴うお金の問題です。

 お金の問題として考えておくことは、概ね以下のようなものがあります。

 

 1 婚姻費用 

①婚姻費用を請求する側

 離婚成立までどの程度かかるかによりますが、話し合いが長引いたり調停などの手続が考えられる場合には当面の生活費として婚姻費用の請求が重要になります。

 そのため、婚姻費用としてどの程度の金額を望めるのか、どのような方法で請求するべきかなどについてはあらかじめ検討しておいた方が良いと思います。

 

②婚姻費用を支払う側

 他方、婚姻費用を支払うことになる側も、いつからいつまで、毎月いくら支払う可能性があるのかについて目途を立てておくことがその後の離婚の進め方に影響しますので、検討しておく必要があります。

 

 2 養育費 

①親権を希望する側

 養育費としてどの程度の金額を望めるかについては、離婚を切り出すタイミングにも影響しますので、必ず検討しておくべきポイントです。

 

②親権を委ねる側

 養育費を支払うことになる側も、いくら支払う必要があるのかを把握しておくと離婚を切り出す適切なタイミングを計ることができますので、検討しておくと良いポイントです。

 

 3 財産分与 

①請求する側

 この場合、相手にどの程度の資産があるのかや証拠の確保など、事前に検討しておくべきポイントがあります。

 証拠の確保などはあとでリカバリーが困難になることもありますので、財産分与を希望する場合にはできればアクションを起こす前の段階で弁護士へご相談ください。

 

②請求されることが予想される側

 この場合、実際に財産分与を求められたらどの程度の負担を覚悟しなければならないかを検討しておかなければ、離婚後の生計維持に支障を生じる可能性がありますので、あらかじめ試算しておく必要があります。

 

 4 慰謝料 

①請求する側

 何を根拠に慰謝料を請求するのか、その理由が本当に慰謝料の根拠となるのか、証拠はどの程度あるのか、望める金額はどの程度か等検討すべき点は多くありますが、慰謝料についてはご本人が検討しても的確に判断することは難しいところですので、弁護士への相談をお勧めします。

 

②請求される可能性のある側

 このケースでは、そもそも慰謝料の金額よりも有責配偶者として離婚自体が否定される可能性がどの程度あるかを検討しておく必要がありますので、自分に非があると考える場合にはその点も含めて慎重に検討しておくべきです。

 

 5 年金分割 

①請求する側

 年金分割を求めるには、あらかじめ必要な書類を取り付けておくことや合意方法に気を付けるべき点がありますので、事前の検討が有効です。

 

②請求されることが予想される側

 年金分割においてどの程度のものが分割されるかを検討しておくことは有益ですが、婚姻期間が短いようなケースでは請求されないこともありますし、年金分割の按分割合について争うことは困難な場合も多いため、他の検討事項に比べれば優先度は低くなります。

 

 離婚を考えた場合には概ねこのような視点で状況を整理しておくと、いざ実行に移そうと思った場合にどこが問題になりそうか、ある程度クリアになると思いますので、参考にしていただければ幸いです。

 

弁護士 平本丈之亮

 

2020年6月14日 | カテゴリー : 離婚, 離婚一般 | 投稿者 : 川上・吉江法律事務所